住友化学、新規作用機序の殺菌剤「フセキワイド フロアブル」販売開始、うどんこ病対策の新兵器

■新規作用性のピリダクロメチルとイミノクタジンアルベシル酸塩の混合で高効果

 住友化学<4005>(東証プライム)は5月20日から、うどんこ病に優れた効果を示す新規殺菌剤「フセキワイド フロアブル」の販売を開始したと発表。同製品は、住友化学が独自に開発した新規作用性を持つ有効成分ピリダクロメチルと、日本曹達<4041>(東証プライム)が権利を保有するイミノクタジンアルベシル酸塩を含有する混合剤である。ピリダクロメチルは住友化学がB2020(2020年までに主要市場向けの農薬登録申請を完了するパイプライン)の一剤として開発した全く新しい化学グループに分類される化合物だ。既存薬剤への耐性が問題となっているうどんこ病に対しても有効性を示す点が特徴的である。

 「フセキワイド フロアブル」は2成分の混合剤化によって耐性菌発生リスクの低減を図った製品である。うどんこ病への高い効果に加え、トマトの葉かび病、すすかび病、なすのすすかび病などにも安定した効果を発揮する。これにより防除体系の基幹剤としての位置づけが可能となった。また同製品は天敵や有用昆虫への影響が少なく、IPM(総合的病害虫・雑草管理)に活用しやすい特性を持つ。販売は住友化学および日本曹達から行われる。

 ピリダクロメチルの作用機序は特徴的で、糸状菌の細胞骨格を構成する微小管のタンパク質「チューブリン」に結合して殺菌効果を示すが、その結合部位は既存のチューブリン重合阻害剤とは異なるため交差耐性を示さない。このメカニズムによりQoI剤、DMI剤、SDHI剤の耐性菌にも効果を発揮する。住友化学は今後も持続可能な農業に貢献するため、環境負荷を低減する革新的な製品の研究開発に注力し、農業生産者に新たなソリューションを提供することで、世界的に需要が高まる安全・安心な食料の安定供給に貢献していく方針だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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