【編集長の視点】Waqooは再生美容液即完売と2Q赤字縮小業績を見直す

■バイオベンチャー株評価高まる

 Waqoo<4937>(東証グロース)は、前日17日に7円高の1056円と3営業日ぶりに反発して引けた。今年6月5日に子会社のセルプロジャパンが、EC販売サイトで発売した再生美容液が、放送開始わずか11分で完売したことや、今年5月に発表した今2025年9月期第2四半期(2024年10月~2025年3月期、2Q)累計業績が赤字幅を縮小して着地したことを見直しバイオベンチャー株買いが再燃した。テクニカル的にも、トランプ関税による世界同時株安の影響で突っ込んだ年初来安値800円から売られ過ぎとしてリバウンドし、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、足元ではこの75日線で下値を再確認しており、押し目買いのサポート材料となっている。

■メディカルサポート事業の3月の血液由来加工サービスの受託件数は過去最高

 同社は、再生美容化粧品を自社ECサイトなどで販売するD2C事業と、血液由来加工受託サービスを医療機関に提供するメディカルサポート事業を経営の二本柱としている。今回、子会社のセルプロジャパンが、お買い物チャンネル「QVC」で販売した「メディカセルHAステムセラム」は、最先端の幹細胞研究から生まれたヒト羊膜由来幹細胞順化培養液を50%も配合するなど豊富な栄養分で構成される再生美容液で、そのメイドイン・ジャパンの質の高さなどから同チャンネルの放送開始後約11分で即完売するなど、異例の大ヒットをした。

 一方、今期2Q業績は、売り上げ8億3400万円(前年同期比10.6%減)、営業利益5200万円の赤字(前年同期は8700万円の赤字)、経常利益5400万円の赤字(同8400万円の赤字)、純利益5900万円の赤字(同1億1000万円の赤字)となった。減収・連続赤字の着地となったが、前年同期比で赤字幅が縮小したばかりか、3カ月ベースでも今期第1四半期より赤字幅をそれぞれ約3000万円縮小させた。D2C事業の売り上げが5億299万円(前年同期比29.4%減)、セグメント利益1億4357万円(同7.0%減)となったが、メディカルサポート事業では、血液由来加工受託サービスの受託件数が今年3月に過去最高となるなど好調に推移し、売り上げが3億3185万円(同49.5%増)、セグメント利益が859万円の赤字(前年同期は4152万円の赤字)と赤字幅が縮小したことなどが寄与した。今9月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ21億2700万円(前期比9.4%増)、営業利益1億300万円(同84.0%増)、経常利益9700万円(同70.6%増)、純利益3600万円(前期は1700万円の赤字)と見込んでいる。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆し下値再確認の75日線から再発進

 株価は、昨年12月に特許取得の新技術開発でストップ高して1840円高値まで買われる場面があったが、年明け以降は新興市場の人気離散に今期第1四半期の業績伸び悩みも重なって下値を探り、トランプ関税による世界同時株安時には年初来安値800円へ調整した。同安値からはセルプロジャパンの血液加工センター増設などを手掛かりにリバウンドし、2Q決算発表で1120円と高値反応し、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では再度、75日線で下値を確認する動きを続けているが、早晩上放れまず年初来高値1222円へキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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