日本板硝子、AI活用で職場安全を強化、10か国の製造拠点に導入

■カナダ試験運用を経て世界10拠点に拡大、人と設備の接触事象75%減

 日本板硝子<5202>(東証プライム)は10月16日、AIを活用した職場安全管理システムをグループ内10か国の製造拠点に導入したと発表した。映像解析AIを専門とする米Voxel社の技術を用い、労働災害リスクの低減を目指す取り組みである。製造現場に設置したCCTVカメラ映像をAIが解析し、不適切な持ち上げ動作や歩行者区域違反、安全装備の未着用といった危険行動をリアルタイムで検知する。2024年6月にカナダ拠点で試験導入を実施し、成果を確認したうえで世界各地へ拡大した。

 導入対象はマレーシア、ベトナム、メキシコ、チリ、アルゼンチン、ブラジル、イタリア、ドイツ、カナダ、米国の10拠点である。各国の法規制や文化的背景、従業員のプライバシーに配慮したシステム設計とし、現場ごとにVoxel社の専任チームが機能をカスタマイズした。匿名化技術により、作業者の顔や体をぼかす機能を備えるなど、個人情報保護にも対応している。導入効果として、マレーシアでは人と設備の接近事象が3か月で75%減少、カナダでは人間工学的リスク事象が57%減、米国では安全ベスト未着用が1か月で62%減となった。

 同社は従業員の安全を事業運営の最重要課題と位置づけており、今回の成果を踏まえさらにグローバル全体で安全管理を強化する方針を示した。今後もVoxel社との連携を継続し、各拠点への追加導入と運用改善を進める計画である。映像解析AIによる危険行動の早期発見とデータ分析の活用を通じ、持続的な安全文化の醸成を図る考えだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■昔ながらの味わいを現代風にアレンジ、全国スーパーなどで展開  第一屋製パン<2215>(東証スタ…
  2.  日清食品ホールディングス<2897>(東証プライム)傘下の日清食品は8月18日、「カップヌードル…
  3. ■世界が注目する学問を豊富な事例とイラストで紹介  学研ホールディングス<9470>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…
  2. ■公明党離脱ショック一服、臨時国会控え市場は模索  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みして…
  3. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…
  4. ■総裁選関連株が再び脚光、政権交代期待が市場を刺激  今週の最注目銘柄は、さいか屋<8254>(東…
  5. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  6. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る