リプロセル、産総研とiPS細胞ゲノム編集で共同研究契約締結

■新たなゲノム編集法を活用し、高精度な遺伝子改変技術を確立

 リプロセル<4978>(東証グロース)は10月22日、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の研究橋渡し機関である株式会社AIST Solutionとの間で、新たなゲノム編集法によるiPS細胞の遺伝子改変に関する共同研究契約を締結したと発表した。産総研が開発した先端的なゲノム編集技術を活用し、リプロセルの臨床用iPS細胞を用いて高精度かつ高効率な遺伝子改変技術の確立を目指す。

 同共同研究は、産総研の新技術プロトコールを臨床グレードのiPS細胞に適用し、精度の高い遺伝子改変細胞の作製手法を確立することを目的とする。これにより、免疫拒絶リスクの低い遺伝子改変iPS細胞の創出が可能となり、再生医療への臨床応用を促進する狙いがある。特に、iPS細胞のHLA型不一致による免疫拒絶を克服する「ユニバーサルドナーセル」開発に寄与することが期待されている。ゲノム編集技術ではCRISPR/Cas9などが広く用いられているが、臨床応用ではオフターゲットの抑制が課題であり、今回の新技術はその精度向上に寄与するものとみられる。

 リプロセルは、臨床用iPS細胞「StemRNA Clinical iPSC」の製造販売や、マスターセルバンク・分化細胞の作製受託(CDMO事業)を展開している。今後は同技術を応用することで、既存事業の高付加価値化と新たな細胞治療事業への展開を加速させる方針である。同社は、2026年3月期の業績への影響は軽微としながらも、中長期的な企業価値向上に資するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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