【市場羅針盤】タマゴ高騰が続く、鳥インフルと猛暑が直撃し需給逼迫

■タマゴ関連株が年末相場の主役に?

 全国の鶏卵価格は依然として高値圏で推移している。東京市場のMサイズは1キロ当たり335円、名古屋345円、大阪340円、福岡345円と主要市場で高水準を維持。店頭平均価格も7月の197円から11月には216円へと約10%上昇した。背景には、高病原性鳥インフルエンザの再拡大や輸入飼料コストの上昇、猛暑による産卵率低下など複合的な要因がある。さらに「月見商戦」やクリスマスなど季節需要も重なり、需給の逼迫が続いている。

 鳥インフルエンザでは、北海道白老町や新潟県胎内市などで感染が確認され、計132万羽超の採卵鶏が殺処分された。昨年秋から今年2月にも840万羽規模の殺処分が行われており、供給体制の回復はなお遅れている。飼料輸入を巡ってもウクライナ情勢や円安、原油高が重くのしかかり、コスト上昇が続く。これらの要因が重なった結果、東京市場では1キロ=360円台と「エッグショック」時を上回る水準に達している。

 こうした動きを受け、株式市場では「タマゴ関連株」が年末相場の注目テーマとなっている。ホクリヨウは今期業績の上方修正と増配を発表し、上場来高値を更新。アクシーズも第1四半期のV字回復を材料にストップ高となった。両社のPERは12~15倍と割安感が残り、秋川牧園、イフジ産業、日和産業など同業他社へ波及する可能性もある。高値が続く卵相場は、生活防衛と市場投資の両面で注視すべき年末の焦点となりつつある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る