三菱電機、プラスチック分解効率を5倍に高めるマイクロ波加熱技術を開発

■触媒特性を活かし最適周波数を選定、従来比約5倍の分解効率を達成

 三菱電機<6503>(東証プライム)は11月12日、プラスチックのケミカルリサイクルにおける分解効率を従来比約5倍に高めるマイクロ波加熱技術を開発したと発表した。触媒の加熱特性を測定し、最も効率的な周波数を新たに選定。プラスチックと触媒の混合比を最適化することで、マイクロ波加熱方式による世界最高水準の分解効率を実現した。同社によると、この成果はリサイクル工程の省エネルギー化とコスト削減に直結し、ケミカルリサイクルの実用化を加速させるものとなる。

 従来のマイクロ波加熱は扱いやすいISM帯(2.45GHz)を使用していたが、昇温速度が遅く電力消費が多い課題があった。また、電波法上の制約から装置の開口部を閉じて電波漏洩を防ぐ必要があり、連続処理ができないバッチ式が主流だった。これに対し、三菱電機は複数の共振器を共振させて「電波の壁」を形成する技術を確立し、開口状態でも漏洩を抑えることに成功した。これにより、プラスチックを連続的に投入できる新たな分解装置の開発が可能となった。

 同社は今後、2030年までに本技術の製品化を目指す方針を示している。既存のマイクロ波制御技術と組み合わせ、廃プラスチックの再資源化効率をさらに高める計画だ。リサイクル関連企業との協働を進め、低コストかつ高効率な分解プロセスの普及を図ることで、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に寄与するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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