Jトラストが急伸、第1四半期の純利益が黒字に転換し営業利益などなど大幅に拡大

■前年同期は決算期変更で4~6月だが営業利益は3.6倍に

Jトラスト<8508>(東2)は5月13日、一段高となり、一時27%高の291円(62円高)まで上げて出直りを強めている。12日の夕方に第1四半期の連結決算(2020年1~3月、IFRS)を発表し、各利益とも大きく伸びて会社の所有者に帰属する四半期純利益が黒字に転換。注目集中となった。

■国内事業が収益牽引し東南アジア事業は赤字大幅改善

 当第1四半期は、国内金融事業がリバースモーゲージ型ローン保証業務の開始などで収益を拡大し、総合的な再構築を進めている東南アジア金融事業は赤字が大幅に改善。韓国・モンゴル金融事業は堅調さを持続した。

 営業利益は15.55億円(前第1四半期は4.33億円:決算期変更にともない19年4~6月)と3.6倍に拡大し、親会社の所有者に帰属する四半期利益は15.41億円(同じく1.72億円の赤字)となった。
■リバースモーゲージ型ローン保証は川崎信用金庫との提携などで拡大

 国内金融事業では、保証商品の多角化の一環としてリバースモーゲージ型ローンに対する保証を推進し、(株)日本保証が20年1月に川崎信用金庫の同ローン保証業務を開始するなどで事業の厚みが増している。また、クラウドファンディングを通じた保証残高も増加。営業収益、営業利益とも拡大した。

 韓国・モンゴル金融事業は、優良企業向け有担保貸付や、一定の条件の下で総量規制対象外となる中金利帯の個人向け無担保貸付を中心に新規貸付が増加した。買取債権の売却も寄与した。

 東南アジア金融事業は、前期まで債権ポートフォリオの見直しなどの改革を進めてきたJトラスト銀行インドネシアの貸出金が19年12月以降は増加傾向に転換し、インドネシアの金融事業について予想信用損失を見直したこと等により貸倒引当金繰入額が減少した。また、収益力の高いJトラストロイヤル銀行の連結子会社化も寄与した。この事業の営業損益は12.0億円の赤字となり、前第1四半期の18.9億円の赤字から大幅に改善した。

 今12月期の連結業績予想は、新型コロナウイルス流行により現時点では合理的に見積もることが困難なため、20年2月に公表した予想を修正せずに据え置き、営業収益は865.11億円(前期は決算期変更にともない9ヵ月決算だったため比較なし)、親会社の所有者に帰属する当期利益は16.57億円の赤字(同)。今後、業績への影響が判明した場合には、速やかに開示するとした。(HC)

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