【どう見るこの相場】長期金利の上下で揺れる株式市場、グッドニュースもバッドニュースもある中で見逃せない番外シナリオとは?

■中央銀行イベントの番外シナリオに備えて高配当利回りとストップ高実績のバリュー株に待機一考

 やっぱり「グッドニュースはバッドニュース」のようであった。毎度、毎度お馴染みの肩透かしである。3連休前の前週末15日に米国市場では、ダウ工業株30種平均(NYダウ)が、288ドル安と反落してしまった。朝方発表の各種経済指標が、市場予想を上回り米国景気の底堅さを示唆するグッドニュースだったものの、かえって米国の米国の長期金利が高止まりする可能性が意識されるバッドニュースとして半導体関連株などが売られてしまった。

 これに先立つ前週末15日の東京市場でも、外国通信社が、過日9月9日付けの読売新聞の植田和男日本銀行総裁のインタビュー記事で、「マイナス金利解除も選択肢」としたヘッドラインについて日銀内部と市場との間にギャップがあると報道されたことで、年初来高値を更新中だったメガバンクを中心に銀行株が失速し反落してしまった。金融政策の正常化がなお見送りになり、異次元金融緩和策継続なら株価にはフレンドリーのはずなのにである。

 3連休明け後の19日から22日までに開催される米国連邦準備制度理事会(FRB)の公開市場委員会(FOMC)も日銀の金融政策決定会合も、グッドニュースかバッドニュースか、諸説紛々である。ということは、日米中央銀行イベント後のメーンシナリオとなるはずの長期金利が上昇すればバリュー株(割安株)、低下すればグロース株(成長株)とする投資セオリーも、決め打ちは難しそうである。腕に覚えの投資家限定の専権事項だろう。

 とすれば、ビッグ・イベントの圏内を敢えて外す番外シナリオも一考余地があることになる。その番外シナリオの一つは、3月期決算会社の中間配当の権利取りである。配当権利付き最終日は9月27日で、あと1週間余りを残すのみである。しかし前週末15日には、TOPIX(東証株価指数)が、続伸してバブル相場崩壊後の高値を33年ぶりに更新したが、これを下支えしたのは中間配当の権利取りとの見方もあった。

 上場会社サイドでも、これにコミットする動きがみられた。前週末15日は、3月期決算会社の7社(1社は9月期決算会社)が配当異動を発表した。うち3社が証券株で、なかでも出色は丸三証券<8613>(東証プライム)である。中間配当を普通配当10円(前年同期5円)に特別配当15円を上乗せして25円とし、期末の普通配当は未定としたものの特別配当は15円を継続するとしたのである。期末普通配当未定でも、年間配当40円の利回りは7.27%、期末の普通配当を中間配当並みの10円と仮定として50円とすればさらに9.09%と高まり、全市場ベースの高配当利回りランキングのトップに躍り出る。今後もあと1週間余、追随の「第2の丸三証券」のケースが続くのか注目は怠れない。

 もう一つは、物価と長期金利のグッドニュースとバッドニュースが交錯するなか高値波乱となった8月相場で、業績の上方修正などでストップ高と逆行高した銘柄の業績発表である。すでにこの先行ケースがある。品川リフラクトリーズ<5351>(東証プライム)である。同社株は、今年8月3日に業績上方修正とともに株式分割(基準日9月30日、分割比率1対5)を発表したが、さらに9月7日に業績の再上方修正と再増配を発表した。8月の1回目の上方修正では、全般波乱相場のなかストップ高する逆行高を演じ、今回の2回目では上場来高値を更新した。10月入りとともに上場会社の業績発表がスタートし「第2の品川リフラクトリーズ」への期待が高まるが、この候補の有力株は、やはり8月相場でストップ高した銘柄の「ワンスモア」が要注目となる。

 とういことで今週の当特集は、残り1週間余の期間限定で、インカムゲイン妙味のあるバリュー株と、さらに日米中央銀行イベントで波乱がある場合に備えては、8月の波乱相場下で業績の上方修正でストップ高したバリュー株を取り上げることとした。スクリーニングから浮上した番外シナリオ銘柄は、どれも小型株、軽量株とメーンシナリオの主力銘柄の圏外に位置するが、ビッグ・イベントが、グッド・ニュース、バッド・ニュースのどちらにブレてもそれなりの株価追随性と機動性の発揮を期待できそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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