2025年「ゴールデンウィーク」消費動向(インテージ調査):予算増も巣ごもり志向、海外旅行は高嶺の花

■「自宅で過ごす」が最多、旅行・外食は減少傾向

 インテージホールディングス<4326>(東証プライム)グループのインテージが実施した「ゴールデンウィーク」に関する調査結果から、2025年のGWにおける消費者の動向が明らかになった。今年のGW予算は平均29,237円と、前年比105.0%の増加を示している。これは、物価高や円安の影響により、消費者が予算を増やす必要性を感じているためだと分析される。実際に、予算増加の理由として「物価高・円安」を挙げた人が55.6%と最も多かった。

 また、給与増が予想される層のGW予算は65,130円と、給与が変わらないか減ると予想される層の予算の2倍以上となり、経済状況による消費意欲の二極化が示唆される。この調査結果に基づき試算されたGWの市場規模は、2兆8,221億円に達する見込みである。一方で、働く人の最長連休は「4日」が最多であり、「1週間以上」の長期休暇取得者は減少傾向にある。

■理想と現実のギャップ:海外旅行への憧れと高まる国内旅行の単価

 今年のGWの過ごし方(予定)として最も多かったのは「自宅で過ごす」であり、37.3%の人が選択している。次いで「外食」「ショッピング」「国内旅行」が続くが、全体的に昨年から減少傾向にあり、巣ごもりGWの傾向が強まっていると言える。しかし、希望する過ごし方(理想)を尋ねたところ、「海外旅行」は予定者の4倍、「テーマパークに行く」は3倍の人が希望しており、現実との大きなギャップが明らかになった。この背景には、長期休暇の取りにくさや混雑回避の心理に加え、経済的な負担増が影響していると考えられる。

 特に海外旅行は、経済的なハードルの高さから、多くの人にとって手が届きにくい存在となっているようだ。一方、国内旅行(泊りがけ)の予算は平均85,729円と、前年から2割増加しており、物価高や宿泊料金の高騰が影響している。国内旅行は家族連れが多い一方で、ひとり旅の人気も高まっており、旅行スタイルの多様化が見られる。

■高まる旅行・アウトドアへの期待感と今後の消費喚起の可能性

 今年のGWを楽しみにしている人の割合は37.3%にとどまる。しかし、「海外旅行」「国内旅行(泊りがけ)」「キャンプやハイキング、バーベキューなど」を予定している層では8割を超える高い楽しみ度を示している。この結果から、旅行やアウトドア活動が消費者に高い満足感をもたらす可能性が示唆される。

 調査結果は、物価高や円安が消費者のGWの行動に大きな影響を与えながらも、依然として旅行や体験型レジャーへの強い意欲が存在することを示唆している。今後の消費喚起策においては、これらの分野に焦点を当て、経済的な負担を軽減するような施策や、新たな旅行・レジャーの提案が重要となるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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