AI活用のうつ病バイオマーカー診断システム開発へ、総医研とカーブジェンが共同着手

■問診依存からバイオマーカー活用へ、メンタルヘルス診断に新たな客観的指標

 総医研ホールディングス<2385>(東証グロース)、東京慈恵会医科大学、カーブジェンの三者は、AI技術を活用した「うつ病診断薬」の共同開発を開始したと発表。この取り組みは、慈恵医大の近藤一博教授が発見した「SITH-1抗体」といううつ病のバイオマーカーを活用するもので、総医研とウイルス医科学研究所が特許を取得している技術だ。カーブジェンが開発した画像AI解析技術を応用することで、従来の問診による主観的評価に依存していたうつ病診断に客観的指標を提供し、迅速かつ正確な診断を実現する。

 同共同開発の目的は、総医研グループのバイオマーカー技術に基づくエビデンスとカーブジェンの画像AI解析技術を組み合わせ、信頼性の高い診断システムを構築することにある。うつ病は世界的な社会課題であり、早期診断・早期治療の重要性が高まっている。この技術により、医療コストの抑制、企業の離職率低下や生産性向上、メンタルヘルス問題に起因する社会的・経済的損失の低減といった効果が期待できる。

 総医研グループは、同技術を「ヘルスケア・サービス」事業に活用し、健康保険組合への予防・早期診断サポートや健康診断、福利厚生プログラムへの導入を推進する方針だ。またカーブジェンのクラウド画像解析プラットフォーム「CarbConnect®」との連携も視野に入れており、初期投資の負担なくクラウドベースで本技術を活用可能にする計画である。将来的には多言語対応やグローバル展開、さらには他の疾患領域への応用拡大も検討し、医療分野の発展と人々の健康維持・向上に貢献していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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