ホンダとQuemix、世界初の量子状態を壊さず読み出す新技術を開発

■世界初、量子コンピューターでXAFS計算を実現

 ホンダ<7267>(東証プライム)の研究開発子会社である本田技術研究所とテラスカイ<3915>(東証プライム)のグループ会社で量子コンピューターのアルゴリズム・ソフトウェアの研究開発を行うQuemixは5月14日、量子状態を直接読み出さずに情報を取得できる世界初の技術を共同で開発したと発表。従来、量子状態を読み取る際に状態が壊れることが課題であったが、X線吸収微細構造(XAFS)スペクトルデータの強度や形状などの特徴量を“スキャン”することで、量子状態を保持したままデータ抽出を実現。これにより、量子コンピューターの効率的な活用が可能となる見通しが立った。

 さらに両社は、量子コンピューターの実機を用いてXAFS計算の実行に成功した。これは論理量子ビット上での材料開発に向けた計算として世界初の成果である。量子コンピューターと従来のコンピューターを組み合わせた手法により、演算精度を確保しつつ、ゲート演算回数やビット数の削減を実現。今後のハードウェア発展によって、より複雑な実用計算への応用が期待される。

 この技術は、電池材料の性能向上や長寿命化を目指す研究に貢献するものであり、ホンダは2050年のカーボンニュートラル実現に向けて量子技術を活用した多角的な取り組みを加速する。なお、技術成果の詳細は2025年5月15日から開催される国際会議「Q2B 2025 Tokyo」にて発表予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…
  2. ■総裁選関連株が再び脚光、政権交代期待が市場を刺激  今週の最注目銘柄は、さいか屋<8254>(東…
  3. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  4. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  5. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  6. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る