
■強い毒性に配慮、メンテナンス時のガス漏洩を極限まで低減
酉島製作所<6363>(東証プライム)は5月20日、液化アンモニアの大量かつ安全な供給を実現するため、新たにインタンク型の没液式アンモニアポンプを開発したと発表。日本では2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、燃料アンモニアの活用が進んでおり、安全性と大容量化の両立が求められている。今回のポンプは、使用中だけでなくメンテナンス時のガス漏れリスクを抑える構造を採用。貯蔵タンク底部の液を効率よく吸い上げる性能も持たせている。
実証試験は2025年1月から2月にかけて、インドネシアの子会社工場内にて実施された。開発された商用サイズのポンプを用い、実際の液化アンモニアで運転試験を行った結果、想定された性能を問題なく確認。試験での処理流量は、約4万トン級のタンク運用を想定したものとなっており、大規模供給に対応可能な技術であることが裏付けられた。
今回の成果を受け、トリシマは本技術をもとに、国内外の燃料アンモニア関連プロジェクトへの提案活動を強化していく構えである。現場の条件や顧客ニーズに応じた柔軟なソリューションを提供し、次世代のクリーンエネルギーの導入と、脱炭素社会の構築に向けた取り組みに貢献する方針を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)