イトーキ、TOYOTA UPCYCLEと廃棄プラスチックから生まれたアートテーブル&スツールを製作

■廃材から生まれた家具、企業の製造現場から新たな価値を創出

 イトーキ<7972>(東証プライム)は、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)が推進するアップサイクルプロジェクト「TOYOTA UPCYCLE」と連携し、廃棄素材を活用した家具の共同開発を進めている。両社の製造工程で発生する廃棄プラスチックを用いたアートテーブルとアートスツールを製作し、第一弾としてトヨタ自動車本社に設置された。

 今回再利用の対象となったのは、プラスチック成形工程で生じる「パージ材」である。これは高い強度や美しい色彩を持ちながら、通常はその性能を活かせぬまま廃棄される素材である。トヨタの水素タンク製造過程で発生するナイロンパージ材からは、偶発的な模様と光の反射を活かしたサイドテーブルとスツールが誕生した。切削面をあえて残し、素材本来の力強さと再生の背景を伝える構成とした。

 また、イトーキ単独でも、自社の滋賀チェア工場から出るポリプロピレン製パージ材を再利用し、カラフルで抽象的な模様を持つスツールを開発した。素材の色彩を主役に据えたシンプルな設計に加え、スリット構造によってネジや接着剤を使わずに強度を確保している。

■デザインの力で廃棄物に新たな命を与える

 この取り組みは、廃棄物を生み出す側と利用する側の双方の課題を見据え、デザインの力で解決策を提示することを目指している。異業種間のパートナーシップによって多様な廃材を活用し、消費者にもその現状と可能性を知ってもらうことで、アップサイクルの選択肢を広げていく構えである。

 「もったいない」が「もっといい」に変わり続ける未来を実現するには、まず足元にある廃棄物から価値を見出すことが出発点となる。廃棄物ゼロの持続可能な社会を見据え、同じ課題を抱える製造業の参加を呼びかけている。

 TOYOTA UPCYCLEは、トヨタ自動車の新事業企画部が展開するプロジェクトであり、異業種の廃棄素材を再資源化しながら、アウトドアバッグや文房具などの製品に生まれ変わらせている。使用済みエアバッグ素材や高級レザー端材といったリサイクル困難な素材を用い、新たな価値を創出している。

■イトーキ、働く場の未来も見据えた取り組み

 イトーキは1890年創業の老舗企業であり、「明日の『働く』を、デザインする。」をミッションに掲げている。オフィス家具や空間デザイン、働き方のコンサルティング、空間データ分析などを通じて、働く場に新たな価値を提案している。

 近年はハイブリッドワークの普及に伴い、創造性と生産性を両立する空間づくりが求められており、イトーキは外部デザイナーや企業との協業を積極的に進めている。今回のアップサイクル家具の開発もその一環であり、サステナブルな社会の実現に向けた新たなチャレンジとなっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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