HMT、牛肉から世界初のアミノ酸「D-スレオニン」検出、品質・味の解明に新たな手がかり

■高感度分析技術で解明、熟成前後の牛肉にD型アミノ酸を確認

 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)<6090>(東証グロース)は5月28日、高知大学、鹿児島大学と共同で、牛肉の筋肉組織からアミノ酸の一種「D-スレオニン(D-Thr)」を世界で初めて検出したと発表。この発見は、キラル誘導体化LC-TOF/MS法という高感度分析技術を用いたもので、牛肉の品質や味覚に関わる重要な手がかりとなる。D-スレオニンは、従来ほとんど研究が進んでいなかった動物筋肉中のD型アミノ酸の一つで、その存在が明らかになった意義は大きい。

 研究チームは、和牛2品種(黒毛和種と褐毛和種高知系)の筋肉を分析し、食肉処理直後と7日間熟成後のサンプルからD-セリン(D-Ser)、D-アスパラギン酸(D-Asp)、D-スレオニン(D-Thr)を検出。特にD-Thrは動物筋肉で初確認であり、その起源として筋肉組織外やルーメン細菌(牛の消化管内細菌)が関与する可能性が示唆された。D型アミノ酸はL型と味覚特性が異なるため、牛肉の風味解明への応用が期待される。

 今回の成果は国際学術誌「Journal of Food Composition and Analysis」に掲載され、D型アミノ酸の生理機能解明や牛肉の品質向上研究への発展が期待される。HMTは業績への影響は軽微としているが、将来的には高品質牛肉の生産技術や味覚評価への貢献が見込まれる。研究チームは、D型アミノ酸の蓄積メカニズムや役割の解明を進め、食品科学分野での応用を目指す方針だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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