三菱電機、底面積53%小型化のパワー半導体開発、インバーター基板の小型化に貢献

■-40℃の低温動作対応、寒冷地市場での普及拡大に期待

 三菱電機<6503>(東証プライム)は9月11日、パワー半導体モジュール「DIPIPM」の新製品シリーズ「Compact DIPIPM」を発表し、定格電流30Aの「PSS30SF1F6」と50Aの「PSS50SF1F6」のサンプル提供を9月22日から開始すると明らかにした。新製品はRC-IGBTを採用し、従来製品に比べモジュールの底面積を約53%縮小したことにより、パッケージエアコンやヒートポンプ暖房・給湯システムなどのインバーター基板の小型化に貢献する。また、インターロック機能を新搭載することで短絡保護設計の簡略化を可能とした。

 世界的な脱炭素化の進展に伴い、省エネ化を推進する空調機器分野では、室外機の小型化や高効率化が強く求められている。新製品は従来製品と同等の絶縁距離を確保しており、既存製品からの置き換えが容易であることに加え、連続動作温度下限値を-40℃まで拡大。寒冷地市場におけるヒートポンプ式空調機への普及拡大を見据え、信頼性の高い安定稼働を実現する。さらに高放熱性の絶縁シート材を採用することで、定格電流50A仕様を維持しつつ温度上昇を抑制し、小型化と高性能を両立させている。

 同社は1997年にDIPIPMを製品化して以降、エアコンや洗濯機、給湯機、産業用モーターなど幅広い用途で採用実績を積み重ね、省エネ化とインバーター基板の小型化に寄与してきた。今回の「Compact DIPIPM」シリーズは、その進化形として、インバーター機器の省スペース化と設計効率化を支援し、寒冷地を含む世界市場での空調機の普及とカーボンニュートラル社会の実現に貢献する。同製品は9月24日から26日にかけて上海で開催される「PCIM Asia Shanghai 2025」に出展される予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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