NTTなど、「大規模行動モデル(LAM)」を確立、テレマーケティング受注率を最大2倍に

■行動データを「4W1H」形式で統合し、顧客の「どうしたい」を高精度に予測

 NTT<9432>(東証プライム)は11月12日、NTTドコモと共同でAI技術「大規模行動モデル(LAM:Large Action Model)」を確立したと発表した。LAMは、オンラインや店舗など多様な顧客接点から得られる時系列データを「4W1H(誰が・いつ・どこで・何を・どうした)」形式で統合し、顧客の「どうしたい」を予測する生成AI技術である。両社はこのモデルを活用することで、テレマーケティングを通じたモバイルやスマートライフ関連サービスの受注率を従来比最大2倍に高める効果を確認した。

 開発では、NTTがモデル設計とチューニング手法を、ドコモがデータ統合基盤「CX分析基盤」を担当。両社は行動順序を学習するLAMを構築し、販促施策内容やタイミングを個別最適化した。GPUサーバー「NVIDIA A100(40GB)」8基での学習時間は145GPU時間に抑え、一般的な大規模言語モデル「Llama―1 7B」と比較して約568分の1という高効率を実現した。これにより、費用対効果の高いAI構築手法を確立したとしている。

 両社は今後、LAM技術の応用を医療やエネルギーなど非言語データ分野に広げる計画を示した。医療分野では電子カルテの時系列データを用いた糖尿病治療支援、エネルギー分野では太陽光発電の発電量予測への活用を進める。NTTは2028年までに、LAMの入出力柔軟性を高め、実社会データの大部分に対応させる方針である。研究成果の一部は11月19日からの「NTT R&D FORUM 2025 IOWN∴Quantum Leap」で展示される予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■2025年のパン屋倒産が急減、SNS発信とインバウンドが追い風  帝国データバンクは11月29日…
  2. ■「働いて働いて──」が年間大賞!多様な社会現象を映すトップテン発表  自由国民社は12月1日、年…
  3. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る