【編集長の視点】ヨコレイは年初来高値に肉薄、3期ぶりの最高純益更新を見直しバリュー株買いが増勢

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日20日に2円高の1105円と変わらずを含めて4営業日続伸して引け、取引時間中には1110円まで買い進まれ11月8日につけた年初来高値1118円に肉薄した。今2020年9月期の純利益が、3期ぶりに過去最高更新と予想されていることを見直しバリュー株買いが増勢となった。強弱感が拮抗して日証金残が、売り長で逆日歩がつく好需給が続いていることも、売り方のショートカバー思惑を強め、側面支援材料視されている。

■新物流センターのフル稼働が寄与し冷凍倉庫事業が好調に推移

 同社の今2020年9月期業績は、売り上げ1430億円(前期比2.2%増)、営業利益54億円(同13.1%増)、経常利益60億円(同21.3%増)、純利益39億円(同15.2%増)と増収増益転換が予想され、純利益は、過去最高の33億6000万円(2017年9月期)を3期ぶり更新する。前期業績は、食品販売事業で国内事業の荷動き停滞や主要漁港での水揚げ不調、一部水産物の売却損発生などで下方修正されて着地したが、冷蔵倉庫事業は、2018年2月に新設した名港物流センタや同11月新設の東京羽田物流センターなどの物流センターがフル稼働するなど順調に推移しており、養殖事業や海外販売事業に注力することなどが要因となる。

 なおこの今期業績のガイダンスとともに、今期が最終年度となる中期経営計画の計画数値の変更を発表し、純利益は、計画値の今期予想の39億円に下方修正して市場コンセンサスを下回り、これが一時売り材料視されたが、利益水準自体は、3期ぶりに過去最高を更新することになる。

■PBR0.8倍の修正を売り長・逆日歩のつく好需給がフォロー

 株価は、9月期決算発表に期待を高めて年初来高値1118円まで買い進まれ、前期業績の下方修正で1064円に下ぶれ、今期純利益の過去最高更新予想で1100円台を回復し、25日移動平均線を出没する高値もみ合いを続けている。この間、前期業績の下方修正や中期経営計画の下方修正もあって強弱感が拮抗し、日証金残は売り長で逆日歩がつく好需給となっている。PERは16倍台と市場平均を上回っているものの、PBRは0.82倍とバリュー株妙味を示唆しており、昨年1月高値1206円を上抜き1株純資産1336円のクリアを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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