大林組とセメダイン、ほたて貝殻で作る環境に優しいシーリング材「スキャロップシール」を開発

■廃棄物削減とCO2排出量低減に貢献するバイオマス充填剤を活用

 大林組<1802>(東証プライム)は6月21日、セメダインと協力し、目地や接合部のシーリング材に炭酸カルシウムの代替として、ほたて貝殻を粉砕したバイオマスフィラーを使用した「スキャロップシール」を開発したと発表。この新素材は、2025年に開催される大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオンin collaboration with Cartier」の新築工事で使用される予定。このシーリング材は、廃棄物の削減と低炭素化を実現し、従来の性能を維持しつつ、SDGsの達成に貢献する。

 建設業界では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて脱炭素化が求められている。従来の化学合成樹脂をバイオマス樹脂に置き換えることで低炭素化が可能となるが、耐水性や耐熱性に課題があった。大林組とセメダインは、シーリング材に含まれる炭酸カルシウムの約30%をほたて貝殻のバイオマスフィラーに置き換え、資材の低炭素化と性能向上を両立させることに成功した。

 スキャロップシールは、廃棄予定のほたて貝殻を有効利用し、シーリング材製造時のCO2排出量を低減する。また、従来品とほぼ同等のコストで優れた耐水性、耐熱性を発揮し、仕上げ塗料との密着相性も良好である。今後、大林組とセメダインは、この新素材の普及を進め、カーボンニュートラル実現やサーキュラーエコノミーに貢献していく予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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