大林組と大林道路、豪雨と猛暑の影響を軽減する多機能舗装「ハイドロペイブ」を開発、神戸市で実証試験

■雨水流出と路面温度の上昇を同時に抑制、普通道路対応で適用範囲が拡大

 地球温暖化と都市化が引き起こす豪雨災害や猛暑の深刻化を受け、大林組<1802>(東証プライム)と大林道路は5月28日、多機能舗装「ハイドロペイブ」を開発したと発表。従来の「ハイドロペイブライト」が軽交通道路向けであったのに対し、ハイドロペイブは材料や構造を改良し、駅前ロータリーや商業施設駐車場など、大型車が通行可能な普通道路にも適用できる仕様である。国土交通省のグリーンインフラ創出促進事業に採択されたこの技術は、神戸市建設局と共同で実証試験が行われた。試験はJR鷹取駅北口ロータリーおよび歩道部にて実施された。

 ハイドロペイブは、透水性舗装の車道部と湿潤舗装の歩道部から構成され、両者は地中の導水パイプでつながっている。透水性舗装は、雨水を速やかに路面から地中へ浸透させ、約40%の空隙を有する路盤に一時的に貯水することで、雨水の流出を抑制する。一方、湿潤舗装は保水性に優れ、貯水された水を導水・蒸発させる仕組みにより、晴天時の路面温度上昇を抑える効果がある。これにより、ヒートアイランド対策としても有効である。

 実証試験では、従来舗装と比較して歩道部の路面温度が約6℃低下し、車道部では降雨後約30分で路盤内の雨水が地中に浸透することを確認した。この結果から、ハイドロペイブには高い温度抑制効果と雨水流出抑制効果が認められた。今後、大林組と大林道路は人通りが多く災害リスクの高い都市部への導入を積極的に推進し、強靱な都市づくりへの貢献を目指すとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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