INPEXと大阪ガスが世界最大級のメタネーション実証事業を本格始動、都市ガスのカーボンニュートラル化に向けて

■世界最大級の試験設備建設、2025年度中に運転開始を目指す

 INPEX<1605>(東証プライム)と大阪ガス<9532>(東証プライム)は、NEDOから採択された助成事業のもと、都市ガスのカーボンニュートラル化に向けたCO2-メタネーションシステムの実用化を目指した技術開発事業を進めている。両社は24日、世界最大級となる家庭用1万戸分に相当する400Nm3-CO2/hの試験設備の起工式を実施し、プラント本工事に着手したと発表。

 CO2-メタネーションとは、二酸化炭素と水素から合成メタン(e-methane)を生成する技術。合成メタンは、天然ガスと同じ性質を持ち、都市ガスや自動車燃料などに利用できる。また、二酸化炭素を有効利用することで、温室効果ガスの排出削減にも貢献できる。

 試験設備は、INPEX長岡鉱場(新潟県長岡市)越路原プラント内で回収した二酸化炭素を用いて、合成メタンを製造する。製造した合成メタンはINPEXの都市ガスパイプラインへ注入し需要家に届ける予定。試験設備の建設については、2023年10月にプラント本工事に着手し、2025年度中の試運転・運転開始を目指していく。

 同事業では、INPEXが商用スケール適用性検討や設備の建設・操業を担い、大阪ガスが反応プロセス技術開発やプロセスの最適化を担う。また、名古屋大学が反応シミュレーション技術開発を担う。これらの取り組みにより、CO2-メタネーションによる都市ガスのカーボンニュートラル化の早期社会実装に向けて、努力していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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