アスカネットはユニークな3事業のバランス展開で成長をはかり新事業にもチャレンジ

■「事業計画及び成長可能性に関する事項」(全67ページ)発表

 アスカネット<2438>(東証グロース)は7月8日午後、「事業計画及び成長可能性に関する事項」(全67ページ)を発表した。ポジショニングが異なるユニークな3事業(フューネラル事業、フォトブック事業、空中ディスプレイ事業)のバランス展開に加え、XR/バーチャルビジネスなど新規事業へのチャレンジを行っている。

 フューネラル事業(ニッチストック型ビジネスモデル)は、葬儀社や写真館との間にネットワークを構築し、葬儀に使用する遺影写真の合成・加工などを行い、配信するサービス。約3130ヵ所の葬儀社などBtoBを主体に年間約50万枚の写真画像を提供する。典型的なストック型ビジネスモデル。ニッチだが収益性が高く、キャッシュを獲得。2025年4月期の売上構成比は46.7%。

 フォトブック事業(安定成長型ビジネスモデル)は、「一冊からの本格的写真集」をインターネットから受注し製作するサービス。従来の写真プリントを印刷・写真集に置き換える新しい写真⽂化を提唱。約5900社の写真館などBtoB向けやコンシューマーに年間約140万冊(OEMブック含み、写真プリント除く)を提供している。市場が大きく成長余地があり、成長ドライバーとしての位置付けを継続している。25年4月期の売上構成比は51.3%。

 空中ディスプレイ事業(市場創造ビジネス)は、「ASKA3Dプレート」による特許技術の空中結像技術による、新しい映像画像の表現⽅法を提唱。市場創造を⽬指し、国内外の販売体制を確立。樹脂製・ガラス製プレートの拡販を進める。先行投資段階だが、市場創造できれば大きな夢がある。25年4月期の売上構成比は2.0%。

■故人の写真をもとに自然な動きや表情の映像を生成する新サービスも開始

 25年6月4日からは、故人の写真をもとに、自然な動きや表情を再現する映像を生成する新サービス「snapCINEMA(スナップシネマ)」を提供開始した。

 成長実現に向け、25年5月から新経営体制に移行。全社的な成長戦略として、「新規事業の創出と既存事業のバリューアップ、社内イノベーション創出基盤の強化」「既存アセットと先進テクノロジーの融合による新たな体験価値の創出」「理念をカタチにする事業戦略」などを掲げた。

<経営体制の刷新>
・社長交代を通じた若返りと次世代経営の推進
・フォトブック事業部長に外部プロフェッショナル人材を招聘し、事業推進体制を強化

<空中ディスプレイ事業>
・運営体制の再構築:社長が事業部長を兼務し、スピーディに戦略を実行
・XRチームとの統合でソリューション営業体制を強化

<広報・情報発信の強化>
・広報体制の整備を通じて、社外発信と社内エンゲージメントを同時に強化

そして、以下の取り組みを推進している。

・既存事業の安定成長と新規事業のチャレンジをバランスよく実現
・自社ブランドの拡大を重視+業務提携で補完
・自らが市場サービスを創造し、トップランナーとしての地位を持続する
・自らの技術や顧客基盤と外部の技術やノウハウを融合して、新しい事業やサービスを創造する
・自社にないビジネスアイデアや人材を有するスタートアップ投資やM&Aなどによる成長機会の創出

 フューネラル事業では、新たな付加価値の創造として、以下の項目を重点推進している。
・AR/VR等を活用して葬儀社に新たな価値を提供
・スマホで訃報・香典が完結する「tsunagoo(つなぐ)」の拡張
・AIを活用した高付加価値サービスの企画・提案

 フォトブック事業(BtoB)では、新たなニーズへの対応として、以下の項目を重点推進している。
・BPO型サービスモデルの拡充
・フォトブック周辺サービスの提供(例:AIレタッチサービスなど)
・社外パートナーとの連携による新サービスの企画・提案

 フォトブック事業(BtoC)では、新たなファン接点の拡大と、VTuberやグッズを活用した事業拡大をはかり、以下の項目を重点推進している。
・注文機会の拡大、
・新規顧客層の開拓、
・VTuber・グッズ領域の新市場開拓

 空中ディスプレイ事業では、空中ディスプレイ技術の社会実装と体験価値を軸とした市場創造を進め、以下の項目を重点推進している。
・プレート販売の拡大
(自治体/公共施設への導入営業強化、業務提携による販路拡大/海外市場の選択と集中など)
・高付加価値ソリューションの提供
(XR技術による没入型体験を活用したプロモーション展開など)
・エンタメ領域へのチャレンジ
(エンタメ×地⽅創生によるイベント実施・共創プロジェクト推進、VTuber等と協業したロケーションイベントの企画運営など)
・研究開発
(映像を受けて結像する受動系と異なり、自ら立体映像を空中に創出する能動系技術開発へのチャレンジ、ベンチャー企業との共同開発:MR体験ツールなど)
(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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