インフォメティス、世界初の機器分離推定技術(NILM)が国際標準規格化へ

■日本発AI電力分析技術がIEC標準に認定

 インフォメティス<281A>(東証グロース)は6月27日、同社が推進してきた機器分離推定技術(NILM)に関する国際標準規格「IEC63297:2025」が正式に発行されたと発表した。NILMは電力計測データからAIがリアルタイムに電力量の内訳を推定する技術で、世界的に標準が存在しなかった分野において、日本発の同技術が初の国際規格として認定された意義は大きい。規格発行は、経済産業省からの6年間にわたる委託事業の成果でもあり、同社は欧州企業と協働でIECの国際標準化活動を主導してきた。

 同社は2021年に技術仕様書「IEC TS 63297:2021」を発行し、その功績が「IEC1906アワード」として評価されていた。その後、NILMに用いる計測データのクラス分けや機器要件などを盛り込んだNILM-ISの規格化を進め、今回の国際標準発行に至った。インフォメティスの方式は、世界中のスマートメーターへの実装実現性が高いクラスに分類されており、NILM分析の普及に向けた国際的な技術基盤を整える役割を果たす。

 同社はこれまで、NEDO採択事業において初代スマートメーターのハードウェアを変更せずにファームウェアの更新のみで高精度な電力データ取得を可能とする実証を行ってきた。現在は、自社センサーを活用した高付加価値のNILM分析と、既存スマートメーターの30分値を活用した簡易分析の双方を電力会社に提供しており、今後は国際規格に基づく分析サービスの普及を加速する構えである。業績への影響は軽微と見込むが、今後重大な変化があれば適宜公表するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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