カイオム・バイオサイエンスとNANO MRNA、mRNAエンコード抗体で共同研究契約

■製薬企業との共同開発や導出を目指し、次世代抗体創出へ

 カイオム・バイオサイエンス<4583>(東証グロース)は8月27日、NANO MRNAとmRNAエンコード抗体医薬の創出を目指す共同研究契約を締結したと発表した。NANO MRNAが有するmRNA創薬基盤技術と、同社が開発してきた多重特異性抗体フォーマット「Tribody」をはじめとする抗体作製技術を組み合わせ、開発候補となるmRNAエンコード抗体を作成し、今後は製薬企業との共同開発や導出を視野に入れる。mRNAエンコード抗体は、抗体の遺伝情報をmRNAとして投与し、体内の細胞に抗体を産生させて治療効果を得る方式であり、近年世界的に注目される新たな創薬手法である。従来の抗体医薬品と比べて短期間での製造や低コスト化が可能になる点が強みとされる。

 Tribodyは分子工学的手法により複数の抗原特異性を1分子に組み込み、3つの異なる抗原結合部位を持つ多重特異性抗体技術である。従来は医薬品化が困難だった標的への対応や、複数薬剤の併用投与から解放される可能性があるとされる。カイオムはこの技術を応用した抗体「CBA―1535」について、国内で固形がん患者を対象とした第1相試験を進めている。

 今回の共同研究により、同社は自社技術の新たな応用領域を開拓するとともに、mRNA医薬と抗体医薬の融合による新規治療法の可能性を広げるとしている。なお、2025年12月期業績への影響は軽微と見込まれている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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