【どう見るこの株】フジコピアンは反落も黒字転換・増配予想を手掛かりに下値抵抗力

■株価は割安、高付加価値製品で成長狙う

 フジコピアン<7957>(東証スタンダード)は、前日21日に11円安の1504円と2日間の変わらずを挟み3営業日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、101円安と3日続落し、東証スタンダード市場指数も、0.19%安と続落したことから、今年2月14日につけた昨年来安値に並ぶ1494円からの底上げ途上にある同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ1500円台下位では、下値抵抗力を示し下げ渋る動きもみせた。今年2月14日に発表した今2024年12月期業績が、黒字転換すると予想され、配当も前期の減配から増配を予定していることが手掛かり材料となっている。

■取引先の在庫調整が一巡し高付加価値製品の開発・販売に注力

 同社の今12月期業績は、売り上げ93億円(前期比13.1%増)、営業利益1億6000万円(前期は7億7400万円の赤字)、経常利益1億6000万円(同6億8800万円の赤字)、純利益1億2000万円(同8億2200万円の赤字)と予想され、赤字転落を前期一期限りにとどめて黒字転換する。前期業績を押し下げていた長期化していた取引先の在庫調整もようやく峠を越し、原材料価格やエネルギーコストも落ち着いており、「飛躍・成長する3年」と掲げる新中期経営計画に基づき国内外の拠点を積極的に活用して販売の拡大を図るとともに、機能性フィルムなどの特長のある高付加価値製品の開発・販売に注力することが要因となる。

 配当は、前期業績の下方修正とともに前期に年間40円(前々期実績97円)に減配したが、今期から配当政策を連結配当性向を30%以上、下限をDOE(株主資本配当率)1%とすることに変更し、年間配当の63円への増配を予定している。

■PBR0.2倍、配当利回り4%の修正で高値調整幅の半値戻し目指す

 株価は、昨年来高値1959円から四半期決算発表のたびの前期業績の下方修正が響いて昨年来安値1470円まで大きく調整した。ただ昨年12月の期末の配当権利取りでは1678円と買い直される場面もあったが、権利落ちとともに再調整し1494円と昨年来安値を試す動きとなり、今12月期業績の黒字転換・増配予想とともに底上げに転じた。PERは19.18倍と東証スタンダード市場の全銘柄平均15.05倍を上回るものの、PBRは0.22倍、配当利回りは4.18%といずれも全銘柄平均の1.02倍、2.19%より割安で売られ過ぎを示唆している。まず昨年来高値から昨年来安値への調整幅の半値戻し水準の1714円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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