日本ハムと都健康長寿医療センターが肉類を多く摂取している高齢者は最大歩行速度が速いことを確認

■サルコペニア・フレイル研究の専門誌に掲載予定、HPでは先行公開

 日本ハム<2282>(東証プライム)と地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターは4月20日、お達者健診に参加した512名の地域在住高齢者を対象に肉類の摂取量とさまざまなフレイル関連指標との関わりを横断的に検討した結果、肉類を多く摂取している高齢者は最大歩行速度が速いことを確認したと発表。

 同研究成果は、サルコペニア・フレイル研究の専門誌である日本サルコペニア・フレイル学会誌に掲載予定であり、学会ホームページにて全文が先行公開された。

■高齢者のフレイル予防に肉類の摂取が重要

 研究の対象は、東京都健康長寿医療センターでお達者健診に参加した512名の地域在住高齢者(自宅等の住まいに在住する65歳以上の高齢者)で、肉類の摂取量とフレイル関連指標(歩行速度、握力、身体組成など)の検討をした。結果として、肉類を多く摂取している高齢者は最大歩行速度が速いことがわかった。最大歩行速度はフレイルの重要な指標であり、高齢者の生活能力や生命予後に影響する。

 肉類はたんぱく質の主要な摂取源であり、たんぱく質は筋肉や骨などの組織の構成要素であるだけでなく、免疫機能やホルモン分泌などにも関与する。肉類に含まれるイミダゾールジペプチドという物質は、筋力やバランス能力の向上に寄与することも報告されている。しかし、高齢者は肉類の摂取量が減少しやすく、たんぱく質不足に陥りやすいという問題がある。

 この研究は、高齢期のフレイル予防の栄養ケアとして、肉類を十分に摂取することが重要であることを示唆している。今後は、肉類の種類や摂取方法、口腔機能などについても詳細に調査し、より確かなエビデンスを提供していきたいとしている。

【用語解説】
・最大歩行速度=できるだけ速く歩いた時の速度。65歳以上の高齢者では、加齢により低下する。東京都健康長寿医療センター研究所の研究で、前期高齢者において、最大歩行速度の低下は、日常生活動作の低下を予測することが報告されている。
・フレイル=健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体機能や認知機能の低下がみられる状態。適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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